映画が大好きなOLが、映画館で観たりDVDで観たりした映画を好き勝手にひとりごと。ネタばれありです。
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原題:DIE FALSCHER/THE COUNTERFEITER
監督:ステファン・ルツォヴィツキー
出演:カール・マルコヴィクス、アクグスト・ディール、デーヴィト・シュトリーゾフ他
製作:2007年ドイツ、オーストリア
上映時間96分
配給:クロックスワークス


ストーリー:

国家による史上最大の贋札(がんさつ)事件と言われる「ベルンハルト作戦」を題材にしたヒューマンドラマ。
第2次世界大戦中のドイツ、ザクセンハウゼン強制収容所で、ナチスから紙幣贋造を強制されたユダヤ系技術者たちの苦悩のドラマを描く。

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実話です。
1時間半ほどの映画だったけど、なんだかもっと長く感じた。

主人公は、偽札作りのプロ、サリー(カール・マルコヴィクス)だけど、原作は印刷技師として登場するアドルフ・ブルガー(アクグスト・ディール)。

サリーもアドルフもユダヤ人で、強制収容所に連行され、そこで知り合い仲間になる。お互い言葉数は多くないけれど、2人の間には友情のようなものが感じとれた。

ヒトラーの贋札


サリーは、ナチス少佐ヘルツォーク(デーヴィト・シュトリーゾフ)に偽札作りの腕を買われて連行されたようなものだった。ヘルツォークは、上層部にも内密で大量の贋紙幣をばらまき、イギリス経済を混乱させる「ベルンハイト作戦」を指揮していた。

このヘルツォーク役のデーヴィト・シュトリーゾフは、一見ナチとは思えない物腰のやわらかい非暴力的な男。優しい仮面で冷酷非道なナチ役はたくさん見てきたが、彼は少なくとも実話を描いたこの映画の中ではユダヤ人を殺さなかった。殺しより金に興味があったんだね。

ヒトラーの贋札


妻を失い自暴自棄になっていたブルガーは、ナチの命令に従い贋札を作ることを拒む。それはいくら命令でも犯罪であり、プライドが許さなかったのだろう。殺されてもいいという投げやり感もあった。

印刷技術を持つ彼が仕事を進めないため、みなのまとめ役であるサリーが最終的には贋札を完成させヘルツォークにも喜ばれるのだが、それはただ生き延びたい一心だったから。

サリー役のカール、痩せ細りほおがこけているのは逮捕前からだったが、そのうらぶれた風情は独特だった。
目には覇気がないようで、淡々と仕事をこなすかに見えるが、仲間をかばうときに見せる本気さから実は熱い心を持った男だとわかった。

板1枚の壁をはさんだ向こう側では、同じユダヤ人仲間が毎日虫けらのように撃ち殺されている。ところが、サリーたちは、クラシック音楽の鳴る部屋で、清潔な環境で仕事を与えられ、寝る布団もふかふかのベッド。

同じユダヤ人でありながら自分たちはなんて幸運なんだろうという思いと、仲間への申し訳ないという苦しい思いで毎日贋札作りに励む。

それにしてもすごい技術。ドイツ人でそれをできる人がいなかったから(内密にするためもあったにせよ)、能力の高いユダヤ人にそれを任せたんだもんね。

テストで試した大手銀行でも、「これは正真正銘の本物のお金です」と太鼓判を押されるくらいの出来ばえ。

ヒトラーの贋札


サリーとブルガーは正反対ながら互いに補い合い認め合っているところがあったように思う。

仲間を裏切り汚い仕事をするなら死んだほうがましだというブルガー。
仲間を裏切ろうと、生き延びることに必死なサリー。

両者とも、実は相手の気持ちも痛いほど分かっているからこそ、自分にないもの、自分にはできないことを相手の中に見ていたのだろう。

最初と最後に、サリーが大金をばらまいて遊び、海辺でぼーっと打ちひしがれる姿がある。

地獄のようなユダヤ人収容所にいながら、命の危険を感じつつも生き延びることのできた人間の気持ちとはどんなものなのだろう。海辺に座るサリーの心情を想像したが、ものすごく複雑。

優秀な人材も多いユダヤ人は、ただ大量虐殺されるだけではなく、用いられる才能は用いられたという事実がこの映画でわかる。

ヒトラーの贋札

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【2011/05/23 22:05】 | 「は」行
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