映画が大好きなOLが、映画館で観たりDVDで観たりした映画を好き勝手にひとりごと。ネタばれありです。
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¥3,360→¥2,520


原題:THE HELP
監督:テイト・テイラー
出演:エマ・ストーン、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー他
製作:2011年アメリカ
上映時間:146分
配給:ディズニー
映倫区分:G
公式サイト


アカデミー助演女優賞:オクタヴィア・スペンサー(ミニー)


ストーリー:

1960年代、人種差別が横行していたアメリカの田舎町に変化をもたらした実在の女性たちについて記したベストセラー小説を映画化した人間ドラマ。
白人家庭でメイドとして働く黒人女性たちとジャーナリスト志望の若い白人女性との友情を通して、社会に対して立ち上がる勇気を描いていく。


 


これは是非映画館で観ようと思っていたのに逃してしまっていた作品。ツタヤでのレンタル開始後も、しばらくずっと貸出し中が続き(けっこうな量が揃えられたいたのに)、準新作になりようやく借りられた。

1960年代のアメリカ、ミシシッピ州が舞台。
アメリカ南部の黒人差別の酷さについては知っているつもりだが、この作品ではコミカルにユーモラスに描いてもいて、白人みんなが悪い人間じゃないんだよ、というようなことも主張されているように感じた。

だけど主となるテーマはそこではない。

白人に雇われる黒人家政婦たちが、小説家を目指すスキーター(エマ・ストーン)に力を貸し、自分達の仕事や取り巻く環境について語り、それが1冊の本になる、という、ミシシッピでは前代未聞の話。

ヘルプ 心がつなぐストーリー1

大学を出、実家に戻って来たスキーターは地元の出版社で働き始める。

意志の強さを感じさせるまなざし、はっきりした口調、折れない信念など、エマ・ストーンは上手に演じていた。一応ボーイフレンドができもするけれど、それより彼女には大切なことがあったため、恋愛物語的要素はほとんどなし。

スキーターも生まれた時から黒人女性(コンスタンティン)に世話をされ、その母もまた…と、白人一家に黒人女性の家政婦がいるのは当たり前のことだった。

のちに、母親のように慕っていたコンスタンティンを、自分の母が解雇したこと、そしてその理由を知り、深く心を痛める。でも予想以上に立ち直りが早くてちょっとコケたけど。

ヘルプ 心がつなぐストーリー3

そんな家政婦に多少人間らしい想いを寄せる白人もいた。スキーターの母親もその一人。だがそんなのごく一部。たいていは「同じトイレなんか使ったらどんな病気がうつることやら」というようなことを当然のように口にし、そういう思考に染まった白人ばかり。

地位と収入のあると思われる男性と結婚をし、子供をもうけ、家事や子育ては黒人家政婦にさせ、日中は近所の奥様同士チャラチャラとお洒落をして優雅な時間を過ごす白人妻達。それが当然進むべき道と信じ、最高のステイタスとでも言うかのように。

くだらない。イライラする。

が、この時この土地では普通のことだったのだろう。

同じトイレを使うのも嫌、という黒人家政婦に、自分の子供をすっかり預ける心境がどうしてもわからなかった。それほど蔑視している人間に、宝物である我が子の世話全般をさせるなんて、一体どういう思考回路なのだろうか。どの白人女性も自分の子供への愛情がものすごく薄く描かれていたのだが、それも原因しているのだろうか。産んだらそれで終わり?愛情はなかったの?

さておき、スキーターのような女性は稀だったに違いない。

黒人家政婦が白人家庭でどんな待遇を受けているかを赤裸々に語らせた本を出そうというのだから。

最初はそんなことをしたら仕事を失う、下手したら命さえも…と口を閉ざしていた黒人家政婦達だったが、エイビリーン、ミニーに続き、口を開き始める。話し始めたが最後、きっと皆口が止まらなかっただろうな。今まで抑えこんでいたものはけ口を見つけたんだもの、次から次へとエピソードが出て来たはず。

ヘルプ 心がつなぐストーリー4

2人は親友同士。互いに支え合いながら笑顔でつながる。

エイビリーン(右:ヴィオラ・デイヴィス)は、白人のむごい仕打ちにより息子を失い、心に負った傷が癒えない日々を送る。ミニー(左:オクタヴィア・スペンサー)は、途中、子供達を抱え夫の暴力から逃げる。

きっとこの時代、多くの黒人女性達が心にも体にも癒えない傷を負っていたことだろう。想像するだけで涙が出て来る。

それでも、子供のため、そして自分が生きるため、安い賃金で白人に虐げられながらも必死に働く。

エイビリーンは、死んだ息子が「きっといつか我が家から作家が出るよ」と誇らしげに語っていた通り、思慮深い賢い女性。感情を殺し、黙々と働く。ちなみに、彼女が語る形で物語は進行する。

対してミニーは夫の暴力で恐れおののく一面を除けば、肝っ玉母ちゃん風。この辺りでは一番の料理の腕前を持つと言われ、言いたいことははっきり口にする(仕事以外で)。見た目もアニメキャラっぽくてかわいい!アカデミー賞助演女優賞受賞おめでとう!

ミニーが、自分をクビにした高飛車で横柄な白人女ヒリーにした仕返しには度肝を抜かれた。手作りのケーキ(パイ)に自分の何かしらを混ぜ込むのだから。あの時のヒリーの驚愕と吐き気をもよおした顔が忘れられない。笑えた。そしてそれは後々ずっと笑えるネタとして作品の中で使われていく。

2人の友情やミニーの強さに、こちらの気持ちが少し救われた。どんなにつらい状況でも、笑顔があるとないとではこんなにも人に与える影響って違うのだなぁとしみじみ。

ヘルプ 心がつなぐストーリー2

ミニーがクビになった後に勤め始めたのが、シーリア(ジェシカ・チャスティン)の家。マリリン・モンローを思わせるイメージのシーリアは、他の土地から移り住んで来たことと、元来の純粋な性格から、黒人への偏見を一切持たない。ふわふわしたお嬢様イメージのシーリアもまた、流産を繰り返すという心へのダメージを背負っているのだが。

純粋で空気が読めないシーリアは後にトラブルも起こすが、とにかく「良い白人」の代表として作品中で描かれる。料理を教わる姿やその他の行動を見ていると、まるでミニーのほうが立場が上かのように錯覚してしまいそうなシーンもあり、心が和んだ。友達のような、家族のような、そんな温かさを感じた。

ミニーはもちろんシーリアを「奥様」と呼ぶが、心の中では放っておけない妹のように感じてもいたのではないだろうか。とは言え、しっかり一線を置くミニーだもの、この人は雇い主なんだということは自分に言い聞かせていたに違いはないのだが。

とにかく、ミニーとシーリアのやり取りが作品に安堵の空気感をもたらしていた。ラストに登場するシーリアの夫もとても素晴らしく、「できたら一生うちで働いてもらえませんか」とミニーに頼むシーンが、またじーんときた。

出来上がった空色の本「ヘルプ」は、瞬く間に狭い世間の話題となる。恥をさらされたヒリー(ミニーをクビにした白人女)がだんだん我を忘れて行く姿が笑えた。観ている人皆が、ざまー見ろと思ったはず。

ヒリーのひねくれた性格により、ラストシーンではエイビリーンもまたクビにされてしまうのだが、言いたいことをはっきりと言い切った姿がかっこ良かった。ヒリーになんて哀れな人と言い放ち、雇われ先の母親に、もっと娘のことを見てあげてと強い口調で迫る。

優しく強く賢いエイビリーンは、涙を流しながらも潔く歩き続ける。顔を上げて現実に立ち向かって行こうと決意した彼女の姿に泣けた。そして心の中で強い声援を送った。

アメリカの黒人差別をテーマにした作品は重く暗く、第三者のこちらも立ち直れないほどのショックを受けるものが少なくないが、「ヘルプ」は心の傷は描きつつあえて軽やかに作られていて、新たな風を感じた。

1週間で3度観ちゃった。


ヘルプ 心がつなぐストーリー


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【2013/04/25 00:11】 | 「は」行
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