映画が大好きなOLが、映画館で観たりDVDで観たりした映画を好き勝手にひとりごと。ネタばれありです。
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原題:BLACK SWAN
監督:ダーレン・アロノフスキー
出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、ウィノナ・ライダー他
製作:2010年アメリカ
上映時間:108分
映倫区分:R15+
配給:20世紀フォックス映画
公式サイト

ナタリー・ポートマン‥‥2011年アカデミー賞主演女優賞、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞受賞


ストーリー:

内気なバレリーナが大役に抜てきされたプレッシャーから少しずつ心のバランスを崩していく様子を描く。
ニューヨーク・シティ・バレエ団に所属するバレリーナ、ニナは、踊りは完ぺきで優等生のような女性。
芸術監督のトーマスは、花形のベスを降板させ、新しい振り付けで新シーズンの「白鳥の湖」公演を行うことを決定する。
そしてニナが次のプリマ・バレリーナに抜てきされるが、気品あふれる白鳥は心配ないものの、狡猾で官能的な黒鳥を演じることに不安があり‥‥。

  
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ニューヨーク・シティ・バレエ団に属するバレニーナのニナ(ナタリー・ポートマン)の苦しさで、最初から最後まで満ち溢れた映画。ユーモラスなシーンは一切なく、苦しみ壊れて行くニナをひたすら描く。

ナタリー・ポートマンが大幅な減量をしたこと、バレエのシーンもほとんど自身で演じたこと、役づくりに苦しむ姿。と、これくらいの予備知識しかない状態で作品を観ました。

ナタリーって、幼い頃8年間も実際にバレエを習っていたのね。
今作主演のために、10か月に及ぶ猛特訓と減量に成功したナタリー。
プロ根性に脱帽。
本物のバレリーナとしか思えないバレエシーンは目が離せなかった。

結論から言うと‥‥、怖かったっ。
途中から、何これサスペンス?と思いながら見たけれど、ナタリーの演技があまりに鬼気迫るもので圧倒されたのね。ウィキではスリラー映画となっている。

全編通して、ほぼすべてのシーンにナタリーが登場します。
スクリーンを通してもわかる絞りに絞った肉体。肩甲骨周辺の骨の浮き具合がそれを明確に示します。

生真面目すぎる完璧主義者のニナは、寝ている間に背中を爪でひっかくクセが治りません。だから、右肩甲骨辺りはいつもひっかき傷があり、バレエの練習の時にはボレロで隠し、舞台に立つ時はファンデーションで隠しています。

生真面目で不安定な精神をつくった要因のひとつは、ニナを溺愛する母親。しばりつけがひどく、いつまでもニナを少女だと勘違いしてるんじゃないかという印象。いい年してるニナなのに部屋はピンクでラブリー。ぬいぐるみがたくさん。
ちょっと気持ち悪い。

完璧主義者であるニナは、神経質でもあるのね。
指にできたささくれが気になり、おもいっきり引っ張りちぎり取るシーンでは、思わずいやー!と声が出ちゃった。だって、3㎝くらい引っ張ったんだもの!ぞっとしないわけがない。もちろん血が出るわけだけど、次の瞬間何事もなかったかのような指に戻ってる。

このような、ニナが幻覚を見るシーンがたくさんあるのが本作。

ブラック・スワン

可憐で真面目で純粋な、白鳥役がどんぴしゃのニナ。
対して、新人ダンサーのリリー(ミラ・クニス)は、自由奔放な性格でユーモアもあり、かつセクシーな、黒鳥役がぴたり当てはまる女性。

白鳥も黒鳥も演じなければならない主役に抜擢されたニナ。白鳥役は難なくこなせるが、黒鳥の役づくりで苦しみもがく。そしてその苦しみが、真面目なニナを幻覚と不安の世界へ陥れて行く。

ニナはリリーの魅力が怖かったのね。
完璧ではないからこその危うさとセクシーさは、ニナ自身にはない要素。自分が持っていないものを持っているリリーだから、怖い。

通常の精神状態なら、自分にはない魅力や才能を持った相手に、憧れを抱いたりライバル心を燃やして自己向上に励んだりするんだろうね。
だけどニナは恐怖を抱き、自己破壊へ向かう。

リリーは邪心なくニナに近づき親しくなりたがる。
ニナはリリーが自分を引きずり落とそうとしていると怯えるけれど、それも思い込みだったということがラストシーンまで見るとわかります。

ウィノナ・ライダーも、引退を余儀なくされた元トップのベス役で登場。辞めたくないのに辞めざるを得ないプリマ役が痛々しい。お酒におぼれメイクも汚く崩れ、監督トーマス(ヴァンサン・カッセル)に「私を辞めさせないで」と迫る夜、交通事故に合いずたずたの足になる。

な、なんてハマリ役なのだろうと思った。
ウィノナ・ライダーってこういう「美しいのに落ちぶれた役」が演じてるとは思えないほどぴたりと来るなー。「シザーハンズ」のピュアさが懐かしい。涙


「あなたみたいに完璧になりたくて」と泣きながら訴えるニナに、強く否定し自分の顔をナイフでぐさぐさ刺し続けるシーンは、うひゃーと目を背けたくなりつつも、ウィノナにぴったりと思ったりもして。
あ、このシーンもニナの幻覚だったと思いますけど。

「白鳥の湖」の初日、精神に混乱をきたしながらもなんとか主演を務めるニナ。だけど、周囲が自分をあざ笑っている幻覚は消えず、バランスを崩し、パートナーが持ちあげたところ落下してしまう。

完璧主義者のニナには許せない大失態。泣きながら楽屋に戻ると、リリーが黒いドレスを着て「プレッシャーで大変よね?私が黒鳥を演じてあげるわ」とニナに申し出る。
そんなことさせないとかっと来たニナは、大きな鏡にリリーをたたきつける。鏡は壊れ、気を失ったはずのリリーが目を覚まし、ニナの首を絞める。だけど首を絞めるその顔はニナ自身だった。とっさにニナは鏡の破片を相手の腹部に刺し、殺してしまう。

これは全て幻覚だった。
ニナが刺したのはリリーではなく、自分自身だったのだ。

ブラック・スワン

刺した瞬間、ニナの白目は真っ赤になり、まさに鬼の顔となる。
もうね、本当にこの顔怖いから!
美しい顔立ちの人ほど怖い顔になるのかも、と初めて思った。

その後の舞台は、今までのニナとは思えぬほどの迫力で拍手喝采。
黒鳥を演じるシーンは、ぶるっと身震いするほどの熱演。

ブラック・スワン

ラストシーンの白鳥を演じ切り、おそらくニナは死んだのだろう。
真っ白なドレスを赤く染めて行く血。「一体どうしたんんだ」と声をかける監督。
ニナは"It was perfect."と悲しげなのに満足しきった声でつぶやく。
それがラスト。
その後、喝采にかぶせてエンドロールへ。


度を越した完璧主義者は精神を患う。
幻覚や幻聴で、加速度的に自分を追いつめて行く。
ニナの敵は、ニナだった。

バレエの世界の厳しさを描いた作品だけれど、大きくは人間のもろさや危うさを象徴した内容。
そして、ナタリー・ポートマンの女優魂と体当たりのバレリーナ姿に瞬きを忘れる作品。


ブラック・スワン

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【2011/10/18 00:13】 | 「は」行
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