映画が大好きなOLが、映画館で観たりDVDで観たりした映画を好き勝手にひとりごと。ネタばれありです。
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原題:MAO'S LAST DANCER
監督:ブルース・ベレスフォード
出演:ツァオ・チー、ジョアン・チェン、ブルース・グリーンウッド、アマンダ・シュール、カイル・マクラクラン他
製作:2009年オーストラリア
上映時間:117分
配給:ヘキサゴン・ピクチャーズ
公式サイト


ストーリー:

オーストラリアでベストセラーとなった、リー・ツンシンの自伝を映画化。
中国の貧しい村出身の少年が幼くして両親と別れ、バレエダンサーとしての才能を開花させる過程をドラマチックに描く。
激動の時代を歩む彼の人生の変遷とともに、その並外れた踊りにも息をのむ。

  
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舞台は1972年の中国。主人公リー・ツンシンの自叙伝だったことは映画ラストのエンドローブで知った。
ノンフィクションだったのなら、納得できるシーンがいくつかあった。

リーの両親が中国政府に殺されたと思わせる途中のシーン。
母親の頭に銃が突きつけられ、バーンと銃声だけが響く。この時、実際には撃たれていなくて、最後に母親はリーと再会するわけだが、観客の誰もが「毛沢東の共産主義ってやはりこうなのか‥」と心を痛めたのでは。
母親も、その後父親も、絶対に撃たれたと思ってたから、ある意味「衝撃のラストシーン」だった。

家族を殺さず、リーがアメリカに残ると言い出した時も力ずくで部屋に閉じ込めはしたが激しい暴力は振るわなかったところなどから、中国政府を完全に悪者にしない姿勢が今作から感じられる。
それはリーが中国人であり、自身の国を汚したくなかったからではないか。


感情を表に出さず、上層の者が「右にならえ」と言えば即座に右を向く。そんな、1970年代の中国が実に垣間見れる作品。
政府の者はいばりくさり、庶民は汗水流して働き通しなのに貧しい。

たった11歳で家族から離れ、厳しい指導者に厳しくバレエを叩き込まれる少年たち。本人たちの望みなど知りはしない。ただ身体的に条件の良い子供をピックアップして鍛えるだけ。リーは無理矢理させられているという気持ちが強く、バレエを嫌い、夜は涙を流す。

小さな村の小さなダンサー

だけど親身になってくれる素敵なチェン先生との出会いもあった。
この先生、笑顔が優しくて素敵なおじさん。共産主義の中国でも、こういう人間はやはりいるのだと希望を感じさせる人柄。
この出会いがあったからこそ、リーは名の知れるダンサーになったと言ってもいい。

先生がこっそりくれたビデオで、蝶のように舞う古典バレエダンサーを見たその日から、リーは必死にひとり訓練を重ねる。自分もああなりたいと願う。

映画の中で、リーの役は少年時代がホアン・ウェンビン、思春期時代がグオ・チャンウ、青年時代がツァオ・チーと、3人が演じる。
主人公はツァオ・チー。英国バーミンガム・バレエ団プリンシパル。本物のバレエダンサーが、演技もこなすのは大変だったろう。

だけど彼は見事だった。

小さな村の小さなダンサー

実際の舞台シーンも何度か見られるが、本当にすごい!
女性バレリーナの可憐なイメージが強いバレエだけれど、男性の鍛えられた肉体美は彫刻のようで美しい。人間が宙を舞う姿にため息が漏れる。


リーは素直で純粋な青年。
みなに好かれる人間性らしく、才能があることも手伝って、渡米後あっという間に名を知られる存在になる。

白人女性と恋をし勢いで結婚もするが(愛というより、永住権が欲しかったというのが本音だろう)、のちに離婚。同じプリンシパルの女性と再婚する。彼女とはのちに故郷を訪れる。

小さな村の小さなダンサー

いつでも心にあるのは家族。
朝から晩まで働き詰めでも貧乏な家族をいつも気にかける。
満席の客席を前に踊り終え、舞台に上る両親との長年ぶりの再会シーンは、涙がボロボロ流れて止まらなかった。
両親と手を取り合い、号泣しながら思わずひざをついてしまったリーのこれまでに想いを巡らせると、熱くならないわけがない。

もう少し深く描いてほしいテーマもあった。それは、バレエの表現法。
共産主義の中国では、感情は二の次、まずは技術力ということで、ロボットのような動きを叩き込んでいた。
だけど、自由の国アメリカでは、技術力もだけど、表情豊かな表現力も要された。

映画の中では、リーは特にこの点にとまどいを見せない。
アメリカのほうが自由だからいい、という簡単な言葉でしか表していない。国が違うとバレエへの取り組みもだいぶ違くなるのではないかと思うのだが、そんなにすんなり切り替えられたのだろうか。

亡命したことで家族や世話になった人たちに迷惑をかけていると苦悩するリーばかりが描かれていたので、バレエへの苦労があまり感じらず、そのあたりが少し物足りなかった。天才はそのあたりはすんなり対処していけるものなのだろうか。
青年時代のバレエに対する気持ちのひだはあまり描かれていなかった。

踊りに感動し、中国はやはり怖い(怖かった?)国なのねと再確認できる映画。

小さな村の小さなダンサー



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【2011/12/12 15:57】 | 「た」行
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