映画が大好きなOLが、映画館で観たりDVDで観たりした映画を好き勝手にひとりごと。ネタばれありです。
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原題:ONE TRUE THING
監督:カール・フランクリン
出演:メリル・ストリープ、レニー・ゼルウィガー、ウィリアム・ハート、トム・エヴェレット・スコット、ニッキー・カット他
製作:1998年アメリカ
上映時間:128分
配給:UIP映画


ストーリー:

ニューヨークでジャーナリストとして毎日を忙しく過ごしているエレンは、重病を患う母親ケイトの看病のため帰郷を余儀なくされる。
慣れない家事、仕事への焦り、尊敬していた父親の身勝手さに思い悩む毎日を過ごす。
そんなエレンだったが、平凡すぎると否定していた母親の生き方を見つめ直し、その裏にあるやさしさ、強さに次第に気づいていく。
一方、そんな間にもケイトの病状は悪化し、家族揃っての最後のクリスマスを迎えることに…。

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家族愛ストーリー。

家族のひとりが病気だとか死が近いとか死んでしまうとか、起きる問題はほかの映画でも似たり寄ったりなんだけど、家族愛物語って好き。

「母の眠り」の見所は、大女優メリル・ストリープとこれまた大女優になったレニー・ゼルウィガーの共演。

10年以上前の映画なんだけど、メリル・ストリープは今と変わらないんですけどっ。

レニーは役によって太ったり痩せたり変化(へんげ)するから、10年たった今でも老けたなぁってかんじは特にしない。ん、でもやっぱり今作のレニーは若いな。

メリル・ストリープは、脚本を読んで「ぜひ私にこの役をやらせてほしい」と買って出たそう。

その話は、映画が終わったあとに特典映像で知りました。


エレン(レニー)は、ニューヨークでばりばり働く30歳くらいの役。
周りに負けまいと強気で肩ひじ張るジャーナリスト。

対する母親(メリル)は、料理や手作り小物が得意で天真爛漫な太陽のような女性。
大学教授である夫(ウィリアム・ハート)ともものすごく仲良く愛し合う絵に描いたような「理想的妻」。

週に1回友人を呼び手料理をふるまい、「なんとかの会」といったようなのんびりサークル的なことを楽しむ。

エレンはそんな母親を内心さげすみ、好ましく思っていなかった。

父親に対しては、ものすごい尊敬の念を抱きそれを隠すことはなかった。典型的なパパっ子。
優しくかしこくユーモアもあり周りの人々に尊敬され、小説までも書く父親が自慢だし、近づきたくてジャーナリストの道を選んだのね。

家族としてもうひとりエレンの大学生の弟(トム・エヴェレット・スコット)が出てくる。
素直な好青年だし、父にも母にも聞き分けのいい良い子なんだけど、父とは違う道を歩みたくてわざと試験を失敗し単位を落としたりする。

でも彼の存在感は映画の中ではほとんどなし。ファンには寂しいでしょう。


母親の容態が思った以上に悪いため、父親の願望でいったんいやいや家へ戻ることになったエレン。

母親に嫌悪感を抱いていても、険悪な仲というわけではなかったので、それなりにふつうには接してたよ。はたから見たらかなり他人行儀だけど。

でもニューヨークの仕事はそんなに甘くはなくって、結局エレンはクビになっちゃう。

そんな頃から、たいした病態ではないと思っていた母親が実は死に近づいてると知り、少しづつエレンの気持ちに変化が。

この変化は、尊敬してやまなかった父親への不信感が生み出したプラス効果だったんだろうなー。

父親にぐいーんと重きが置かれていた天秤が、少しずつ下がってきて母親が上昇してきたような図を思い描いた。

父親が秘書と浮気をしているかもしれないと知り(最後まで真実はわからなかったけど)、母に知られまいとひとりイライラやきもきするエレン。

でも母は死ぬ直前に言ったのね。今までにないきりっとした目つきでエレンをまっすぐ見据えて。「お父さんのことで私が知らないことは何ひとつないのよ」と。

母の眠り


いつもにこやかに笑みをたやさずふんわりおっとりした母親の、実は内側に強いものを秘めていた姿を目の当たりにし、衝撃を受けるエレン。

ここはじめて母親に強く気持ちが傾いている姿が見てとれる。

でも、せっかく娘らしく母親を素直に愛せるところまで来たっていうのに、翌日母は死ぬ。

父親が朝階下に降り見たものは、母の手をしっかりにぎりまばたきせずに自分を見返すエレンの姿だった。
妻の死を知り、静かに椅子に腰かける。


エレンが母親を嫌っていたのは、実はそのまぶしさがうらやましかったからだと思う。そして、父との仲の良すぎる姿へのヤキモチ。

よく感じるのだが、人間、嫌う裏には実は必ず羨望があるのだ。

エレンは、父親に愛され他人にも愛され幸せいっぱいな専業主婦である母親のことを、心の底ではうらやましく思っていたはず。

その反動で、「私は母のような生き方はしない」と抵抗して生きてきたのだろう。

だけど、さすが母親。そんなこととっくに知っていたようだ。

死に際、心から「愛してるわ」と母に告げるエレンに、「知ってたわ。ずっと前から」と言うんだもの。

自分に反発し見下し避けてきた娘に対して。

これってやっぱり「母は偉大」。どんな態度でもひっくるめて、それを愛と呼べるのね。


ちょっと衝撃だったのは、母親は自殺したということ。
モルヒネを大量に飲んだよう。

だけど「自殺」という単語はしっくりこない気もする。ガンのものすごい苦しさ、そして自分を愛する人間の苦しさ、そんなものから開放されたく、開放してあげたかったのだろう。

でも、エレンは父親が見るに見かねて母に薬を盛ったと思いこむ。父親は、娘エレンが母親に薬を盛ったと思いこむ。

真実が発覚したのは、母のお墓に花の種を植えるエレンの元へ父が歩み寄り放った言葉から。

「おまえはよくやったよ。私にはとてもできなかった」と。
つまり「楽に死なせてあげたんだろう?自分もそうするかしないか葛藤があったができなかったよ」と言ってることになる。

そんな父親を驚きの表情で見つめ「私は何もしていないわ。お父さんがやったんじゃなかったの?」と返すエレン。

ここで父娘は互いを驚愕の表情で見つめ合い、あの死は母が自ら選んだものだったのだと知る。

薬のある所までとても歩いて行ける状態ではなかったのに・・・といぶかしがる2人だが、人間死ぬ気になればなんだってできる。母は死ぬ気で薬の元へたどり着き、死んだのね。


相変わらずあらすじを書くのが下手でごめんなさい。

私は幼い頃から超ママっ子だから、エレンに共感することはできなかった。

だけど、羨望と嫌悪が紙一重だという気持ちは理解できる。


「母の眠り」のメリル・ストリープの演技力はすごかった。

本当に癌になっちゃったのかと思った。
目の下のクマとかやつれ具合とか、周囲への当り散らし方とか。

彼女と共演する俳優や監督はみな「役そのものになれる貴重な女優。なりきれるから演技する必要はなく自然体」というようなことを口にする。

そりゃあメリル・ストリープなりに試行錯誤して演技してるのかもしれないけど、確かにそんな裏の顔をカケラもにじませないのはさすが。

憧れの女優さんのひとりです。


母の眠り

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